『薩摩斑目家』の歴史
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90四★鹿児島国際大学短期大学部名誉教授・三木靖氏インタビュー「薩摩斑目家」の歴史は史料がごく限られているため、断片的な事実のみ明らかで、全体像はとにかく分かりにくい。ここはひとつ「薩摩斑目家」を彩る主要人物たちに焦点を当て、その動向をできるだけくっきりと描いてみたい。山城研究の第一人者として知られる中世薩摩史の大御所、三木靖・鹿児島国際大学短期大学部名誉教授がシンプルに明快に語ってくれた。 ―「斑目」の名が日本の歴史に初めて登場するのは、十一世紀後期成立の「陸奥話記」に記録された「前九年の役」の第六陣司令官、斑目四郎のようです。この斑目四郎は、「薩摩斑目家」の先祖であると考えていいのでしょうか。三木 いいんじゃないでしょうか。まだ学問的には証明されていないだけで、その可能性が大いにあるでしょう。斑目という姓は極めて珍しい分、そうやたらに付けませんし、それが付いていること自体、所以があって付いているということ。全く関係がない人が付
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