『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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112その学者さんがどんな方か存じ上げませんが、そんな頓珍漢な批判をするということは、全く不勉強な方です。憲信は裁判官、検察官の仕事をしていた人ですから、商売のためにこれを書くなんてことはありえません。真年だって宮内省、司法省、文部省といったところでちゃんと働いていた。だいたい、系図が本物か偽物かなんて、たくさん見てりゃ分かるんです。宝石屋さんがたくさんの指輪の中から本物か偽物か見分けることができるのと同じで、系図も数多く見ていれば本物か偽物かは自ずと分かるようになるんですよ。――確かに、どんな分野でも「目利き」の眼力は、数多く目にすることで、自ずと育まれるようですね。一般に歴史学者というのは、そもそも系図に向かい合った経験に欠け、系図というものを甘く見ているんじゃないでしょうか。系図の捏造なんて簡単に言うけど、そんな偽系図を作ったら、たちどころに分かってしまう。要するに、そういう系図を知らない人が系図を評価するなんてことはできないんですよ。その時代とか名前とか、名前の付け方とか一族の分岐の仕方とか、ありとあらゆる事象を系図の上で整合的にでっち上げるというのは

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