『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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127第6章 宝賀寿男氏インタビューても言い過ぎではあるまい」「著者は十年近く前にこれらの極めて重要な内容の系図を発見したものの、それ故にその信憑性を確かめることに長い年月を費やしてきた。それは系譜というものが、まだ科学的研究の対象とはなっておらず、歴史家の間でさえ無批判に資料として利用するものや、逆に系譜というだけで低い資料と見なしてそれを全面的に抹殺する者などさえあって、発表を迂闊に行うことで収拾のつかない事態が予想されたからである。そのためこの新見の系譜資料の信憑度をできるかぎり正確に測ることにつとめ不要な混乱をさけようと考えた」「今必要なことは差別に利用されてきた系譜というものを科学的探究の場へ解き放つことであり、史料的価値を正しく測る科学的系譜学の確立ではなかろうか」そのうえで、こう本文中で言及している。

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