『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
132/356
130なんてものもありますけど。それはまあいろんな行きがかりがあって一緒に書き写してきたんだろうと思います。――結局、系図はどう接して、どう評価するのが、最も妥当なのでしょうか。おかしい点がないか、それを見るにあたっては幾つかポイントがあります。先祖からその氏が発生するという創設部分と、それからその氏から次の新しい名字が分岐するという分岐部分が、どこかおかしいというのが一つ。系図が込み入っていると、つながっている線がずれたり、無関係のところにくっつけるといった誤りもかなりある。それから字も、読む人によって受け取り方が違うのがあったりする。例えば西郷隆盛の「隆」と言う字と「澄」という字を、どうして間違うんだろうと思うけれど、それが相互に誤用転用されている。だから人によって「成隆」と書いてあるのが「成澄」となったり、「成澄」が「成隆」になったり。そのどっちもがありうるから、どっちが正しいかという問題になったりする(笑)。略字なんかでも、例えば故郷の「郷」という字、あれ略字で「江」って書くんですよ。同じ「ゴウ」の読みでですね。蒲生高郷なんて人がいますけど、それなんかもそのま
元のページ