『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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133第6章 宝賀寿男氏インタビューです。なのに、系図関係の史料を、これはダメだからと簡単に切り捨てるような姿勢は、私は学者としておかしいと思いますね。――その結果として、いま日本の系図学については、宝賀さんが最も詳しいというか、第一人者の立場にいるということですかね。まあ自分で言うのもなんですが、正直に言って、そんな感じですね。もちろん自分の専門分野の一部分だけに限って系図を詳しくやっている歴史学者はいますよ。いるけども、全体としてそれを評価して研究したかというと、そう言えない面があるわけです。例えば、史料を提供してくれた人の系図を、これはインチキですよとはなかなか言えないでしょう。そういう意味で筆がにぶったり、きちっと評価できていない。それから民間の研究者は、だいたい自分の家系を中心に研究するんで、先祖を飾る人が多い。だからどこかつながりがわるいし、こういう官位を当時もらえるはずがないし、こういう名前を付けるはずがないとか、そういうものを平気でつなげている。私はといえば、これはインチキ、これもインチキと平気で言うもんだから、評判がわるいわけですよ(笑)。

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