『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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141第7章 疑わしきは「家伝」の利益にしかし、それに続く七代の子孫は、「直基」「則常」「広基」など他の史料にもちゃんと名が残り、実在が明らかな人物が何人も含まれている。班目文雄氏が『先祖探しの旅』で室町時代から江戸時代までの東日本斑目家の変遷として詳述した人物たちだ。一体全体、この系図の信憑性をどう判断すればいいのか……。そんなふうに記載事項の細部に囚われ、戸惑い続けているうち、あることに気付いた。ない。名前がない。この系図には、当然あるべき最重要人物の名前がない。――吉美侯武忠・斑目四郎。斑目四郎が前九年合戦の第六陣司令官として出陣したのは康平五年(1062年)。世

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