『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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13はじめに「しかし、間違いを避けるためにゆっくりと慎重であればいいかというと、それにも問題がある。時間がかかりすぎると関係者の記憶が希薄化し混乱したりして、捜査が難航したり、かえって間違いが起こりやすくなる。なによりも犯人が逃走し、次の事件を起こしてしまう」「そのために後者の方向がある。この人間が怪しいという情報が出てきたら、即応して集中的に捜査することが必要になる。それが私たちの仕事だ」そんな話だった。事件捜査における拙速巧遅のジレンマということだろう。どういう分野の問題であれ、人間世界の現象は常に多面的だから、事実認識や対応にはなんらかのジレンマがつきまとう。

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