『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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199第9章 斑目四郎の先祖が見つかったはなかった。野中教授の専門は「歴史学」ではなく、「国文学」なのだった。とはいっても、野中教授の「国文学」とは「軍記文学」。斑目四郎が第六陣司令官として参戦した前九年合戦の基礎史料である『陸奥話記』や、吉彦秀武がキーパーソンとして登場する後三年合戦の基礎史料である『奥州後三年記』を、なんと研究対象にしているのだ。野中氏は特に『奥州後三年記』の研究によって歴史学者の間で広く知られた存在になっている。『奥州後三年記』の成立時期について、歴史学界の定説となっていた「14世紀半ば成立説」に対し、用語や文脈や時代様相などを分*秋田県仙北郡美郷町にあるJR奥羽本線の無人駅。 その名は古戦場にちなんで「後三年駅」。
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