『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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207第9章 斑目四郎の先祖が見つかったその旨を野中氏にメールしたところ、数日後、以下のような返信があった。「本日、抜き刷りが出ました。ご住所をお教えいただければ、お送りいたしますが。国会図書館に納本されて閲覧できるようになるのは、一ヶ月後だと思います」会ったこともない野中さんに郵送の手間をかけ切手代を出費させてしまうことに気がひけたが、国会図書館で読めるようになる一ヶ月後までは待てない。まるで恋人とのデートを一ヶ月も先送りなんかできない、といった心境だ。郵送をお願いしたところ、快く送ってもらえることになった。日を置かず、野中氏から郵便物が届いた。まだ印刷したての湯気が立っているような論文『出羽山北清原氏の系譜――吉彦氏の系譜も含めて――』が入っていた。長く探し続けてやっと見つけた宝物のような感じがした。さっそくページの一枚一枚を
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