『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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209第9章 斑目四郎の先祖が見つかった「すでに平成七年に雄松堂出版からマイクロフィルムとして公開されていた系図についての指摘が本稿の中心で、それに先立って宝賀寿男によって紹介されてもいた史料なので、今さら〝出現〟とか〝発見〟などと称することははばかられるが、これまでの古代東北史研究でこの史料がまったくいかされていないので、本文批判をほどこしたうえで、その意義について指摘することにした。これらの系図の傍注にはきわめて有益な情報が含まれており、10~11世紀に安倍氏や清原氏がどのように勢力を形成してきたかという課題の解決に大きな推進力を与えるものである」『吉弥侯部氏系図』は、「清原氏の出自を明らかにする」という目的に寄与するものとして分析されているのだが、それは同時に斑目家にとっては、斑目四郎の出自を明らかにする情報の宝庫ともなっている(詳細は次章で)。「系図の信憑性は、各人物に添えられた傍注、世代間隔(通常一世代を20~30年程度で計算する)、貴種化の有無などによって吟味することができる」
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