『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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215第9章 斑目四郎の先祖が見つかった元の豪族たちだったんですが、それが10世紀の末になると在庁官人郡司制といって全部すり替わって、県庁の経歴者が下って来る。そういう現象がこの系図の中に読めるんです。――系図については、歴史学者は一般的に明言を避ける傾向があるのに、入間田先生は評価がキッパリしていますね(笑)。そうね。中世史家から見ると、こういうことはものすごくスムースに理解できる。だから、全体的にものすごく面白い資料だと思います。中世の研究者だったらだいたいの人がこの系図をいいと言うでしょう。――野中さんがこの二つの系図を使って書いた『出羽山北清原氏の系譜』という論文は、どう評価されますか。これはたいしたもんです、実に画期的な論文ですよ。われわれ中世史の研究者は本当に助かります。
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