『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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253第10章 野中哲照氏インタビューいわゆる世襲制というほどは甘くないですね。やっぱり人材が大切な時代なんで、能力もなく単なる世襲というのはないと思います。だから、世襲的なものがあったとしても、能力があったから許されるという事だと思います。――「宗信」が「出羽少掾」で「正六位上」だったのに対し、「武信」が「雄勝郡擬少領」で「外正六位下」。これって、官位官職がガタ落ちしていますよね。そうですね。ただ、在地に根差す方向性がうかがえますね。――どういうことですか。「出羽少掾」ということですから、これは先ほど言ったように酒田なら酒田の役人ですね。給料は月給、サラリーだけですよね。これに対して、「雄勝郡擬少領」だと郡衙からもらう給料だけじゃなくて、地域に根差して、そこの土地をもらう、荘園みたいな土地をもらうという可能性が出て来ます。自分の私領を認められる可能性が出て来ます。そうす
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